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DIYって何の略??歴史から読むDIY徹底解説!

2022-04-08 19:27:41

この記事を書いた人:森口友哉

家具製造会社で営業マンとして働いています。
商品企画にも携わることで商品の特性を完全に理解して、必要な人にこだわりの商品を届けています。
また、木材のすばらしさを広めるための活動もしており、素材や家具に関して人一倍の熱量と知識があります

皆さんはじめまして!家具製造工房に勤め始めてはや5年。広報担当のゆうやと申します。

 

皆さん、DIYって言葉ご存知でしょうか?

 

特にここ数年でよく使われるようになって、特にSNSを中心に広がっていったとされています。

 

DIY=モノづくり、商品を買うんじゃなくって自分でオリジナルの作品を作ったり、お部屋の改装をしたりと、そういったことを指す言葉です。

 

僕自身もよくDIYをやってはいるんですが、今回は家具屋としてのプロの立場から言葉の意味や歴史なんかを具体的に少し解説をしていこうと思います。

 

 

DIYの言葉の意味

 

まず、DIYという言葉の意味についてです。

 

『 Do it Yourself. 』 「自分たちの手でやってみよう」

 

この3つの英単語の頭文字をとって、【DIY】と言われています。

 

意味としては、自分の欲しい物を購入するんじゃなくって、自分の手で作ってみるという意味の世界共通の単語です。

 

小物を自分で作ってみたり、簡単な家具を自分で作ってみたり、基本的に生活の中について関連することの多くに使われています。

 

作ったりすること以外にも、部屋の模様替えであったり、整理整頓用のグッズをいろいろ組み合わせてみたり、幅広い範囲に当てはまる言葉です。

 

 

DIYのはじまり

 

では、そんな『DIY』というフレーズ自体がいつから広まっていったのかと言うと、時代は第二次世界大戦後のロンドンまで遡ります。

 

戦争の影響でロンドンの街は大きな被害を受けていました。家は倒壊し壁は崩れ落ち、とても戦前の生活を取り戻すことが出来るような状態ではありませんでした。

 

そんな中、街の復興のために立ち上がった人たちがいました。戦争に行って帰ってきた元軍人の方たちです。

 

『破壊された自分たちの街を、自分たちの手で復興しよう!』

 

そういったスローガンを元に、たくさんの人を集めて家の修繕や家具の制作などを行い、戦前の生活を取り戻すために日々改修作業を行っていました。

 

この活動は次第にいろいろな地域に広まっていき、それぞれの住人が参加をする国を挙げての大規模な国民運動にまで広がっていきました。

 

この時のスローガン、合言葉が『Do it Yourself.』だったんです。

 

その後もこの運動はヨーロッパ全土にまで広がっていき、やがて海を越えてアメリカにまで伝わるようになりました。

 

その後、情報雑誌の発刊などの影響もあって、人々の生活様式の中にも幅広く浸透していき、やがてそれ自体が一種の文化として根付くようにもなっていったんです。

 

これがDIYの歴史のはじまりになります。

 

 

DIYの本場アメリカ

 

先程も述べた通りDIYは最初、ヨーロッパから入ってきたと言われています。ただ、広まっていった方法自体がヨーロッパとは少し違うので見ていきたいと思います。

 

アメリカでは本土自体が戦争の影響を受けず大きな被害がなかったため、ヨーロッパのような復興をベースにしたものではありませんでした。

 

では、どういった形で広まっていったのかというと、DIYを『趣味』の一環として受け入れて浸透していきました。

 

1960年代になるとアメリカでは本格的なDIYができるように大型のホームセンターができはじめました。個人でも簡単に道具や材料を買い集めることが出来るようになったので、普及速度もかなり上がったみたいです。

 

そういった影響もあってか、アメリカのDIYのレベルはかなり高くて有名です。それこそ、プロ顔負けレベルの家の改修工事なんかを、休日を使って自分でやってしまう人も結構いるみたいです。職人側からすると、恐ろしい話ですよね。

 

特にここ最近、コロナが流行して回復の兆しも出始めてからは、多くのアメリカ人がいままでにないくらいの住宅低金利の影響もあって郊外に引っ越しをされている方が多いそうです。

 

仕事がストップしてしまって時間が余ってしまっていて、本格的な家具をつくったり、家の改造をしたりする人が増えてきて、一種のブームみたいになっているみたいです。

 

 

日本での流行

 

そんなDIYではありますが、日本ではここ5年くらいになってよく耳にするようになってきました。

 

そうなった理由として挙げられるのが、

  • SNSの普及
  • ネット検索の一般化
  • ホームセンター等の活用機会の増加

 

以上の3点が挙げられます。1番はなんといってもSNSの普及が大きく関係していると考えられます。

自分で作ったものを簡単に他の人に向けて発信をすることができるようになり、それを通しての販売やPRなどが誰でもできるようになったので、DIY自体の露出頻度が上がったと言われています。

 

ネットが普及したことによって、DIYのやり方や加工の仕方などもすぐに調べることができるようになったので、そういった所も関係しています。Youtubeもそうですが、動画を直接見ながらすることができるようになったのも大きなポイントの1つです。

 

DIYをするのに材料を購入するためにもホームセンターの充実はありがたいことです。最近ではどのホームセンターでもDIY用のコーナーなどもできて、塗料から工具など幅広いアイテムが揃っています。木材もサイズがいくつも用意されているのは便利ですね。

いまではInstagramやYoutubeを開けば簡単にいろいろな作品を見ることができますし、それを参考にして自分オリジナルのものをすぐに作ることができます。それに伴って、周辺環境もどんどん整備されてきていることから、DIY自体もより多様化していくと予想されます。

 

 

よく聞く他の言葉との違い

 

たまに、「ハンドメイドと一緒なんじゃないの?」という意見を聞くことがありますが厳密にはちょっと違っていて、

ハンドメイド…手作り、手作業で作り上げる作品

DIY…手作り作品以外にも部屋の模様替えなども含める

というように、何かを自分の手で作る作品だけではなくって部屋の模様替えや洗面台や備品の取替と言った改修なんかも含めるのがDIYになります。

 

ハンドメイドはモノづくりに絞った意味合いの強い単語なので、DIYの方が幅広い意味合いを含んでいます。あとは、DIYに比べてハンドメイドは比較的小さい作品が多いイメージがあります。

 

あとは日曜大工とも比較されることが多いと思いますが、日曜大工はあくまでも休日にお父さんが「家具作り」や「家の補修」のことを指すことが多く、DIYはそれに加えてアクセサリーや小物を作ったりすることも含まれるのでDIYの方が広義的な意味があります。

 

 

まとめ

 

DIYという言葉自体は、戦後の復興からはじまったと言われています。元々は復興という意味合いで使われていた言葉ですが、それがいつしか『モノづくり』をベースにした意味合いに変わっていき、時代に合った形に変わってきました。

 

アメリカやヨーロッパをはじめ、世界中で浸透しているこの言葉は日本でも馴染みある言葉になってきました。

 

それに伴ってDIY用の新しい商品や材料なども多数登場してきて、幅広い意味合いを持つ言葉になっています。

 

市場ニーズ的にも、大型店やチェーン店で買えるような大衆商品から、他では買えないようなオリジナリティのある商品の方が価値が高いと見られることが多くなってきています。

 

それこそ、「〇〇さんが作った」「〇〇産の限定素材」といったネームバリューが大きな意味を持つようになってきて、時代に合わせてニーズだけでなく言葉の捉え方も変容してきていると言えます。

 

SNSの普及はもちろん、周辺環境もどんどん整備されてきていることから、まだまだDIY自体の意味合いも多様化していって、広がっていくことが予想されます。非常に今後の広がり具合が楽しみですね。

 

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