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製造側が教えるテーブルの見極め方!購入前必見情報盛りだくさん!!

2022-06-01 13:39:29

この記事を書いた人:森口友哉

家具製造会社で営業マンとして働いています。
商品企画にも携わることで商品の特性を完全に理解して、必要な人にこだわりの商品を届けています。
また、木材のすばらしさを広めるための活動もしており、素材や家具に関して人一倍の熱量と知識があります

どうも、家具製造工房で広報担当としていろんな情報発信をしているゆうやと申します。

 

まず皆さんに質問です!

 

『ニトリやIKEAなど格安家具を販売しているお店』と『大塚家具や海外ブランドの販売している高級家具店』の違いをどれくらい挙げることができますか?

 

価格?素材?ブランド?デザイン?アフターフォロー?

全部正解です。

 

ただ、素材のどういった所が違うのか、価格差がこれだけある理由はなんなのか、細かく専門的に解説している記事って案外少ないんです。

 

今回はそういった違いを解説しようと思うのですが、その中でも1番取引量の多い『木製ダイニングテーブル』を題材に取り上げて『購入時に気をつけたいポイント』を解説していきます。

 

違いについて分かりやすく解説をしていくために、今回は大きく違いに関係するいくつかの要素をピックアップして、それを順番に解説をしていく形式を取らせて頂きます。

 

これさえ読めばお店選びから、テーブルの具体的な見方まですべてわかるようになっているので、是非購入の時の参考にして下さい!

 

使われる木材の種類

 

まず1番わかりやすい違いが、使われている『素材』の違いについてです。

 

これは皆さんも簡単にイメージできるかと思いますが、料理と同じでどんな素材を使っているかによって価格はもちろんのこと、出来上がる商品の品質なども変わってきます。

 

なので、木材の中にも高級な材料と安価な材料がもちろんありますので、どういった材木を使っているかによって、家具の品質やデザインが大きく異なります。

 

分かりやすく理解するために、材料の仕入れの所から少し説明をさせて下さい。

 

木材を購入する際に基準となる単位が存在します。

それが1m³(立米)という単位です。これは1m×1m×1mの立方体を示す単位で、要はそのサイズの価格がそれぞれ樹の種類ごとに異なるので、『材料費の比較』をすることができます。

 

例えばチーク200万円、ウォールナット100万円、ホワイトアッシュ50万円くらいするんですが、これだけ材料費が大きく変わると当然商品になってもかなり大きな価格差が生まれるのがわかりますよね。

 

ということは、どういった樹種を使っているかによって大きな価格差が生まれるということですので、是非購入の際は色味の違いだけじゃなくて価格差があることも注意して見るようにして下さい。

 

もちろん、家具に使うときは1m³のサイズなんて大きさのものは必要ないし、そんな大きな素材自体ほとんどないので、板状に裁断されたものをそれぞれの価格に比例させて購入をしています。

上の価格はあくまで参考程度と思っておいて下さい。

 

図を作ってみましたので、よければ参考にしてみて下さい。

 

 

ここで見て頂きたいポイントは、家具やテーブルに向いている素材は中心より下側の硬い素材になります。

 

というのも、上側のものは比較的柔らかい素材のものなので、テーブルとして使っているとすぐに凹んだり傷がついたりしてしまうため、正直あまり家具には向いていない樹種になります。

 

そのため、よくホームセンターで販売されている材料などは上側のものが多いので、材質的には天板には向いていないということになります。

ただ、価格も安く手に入りやすいという利点があるので、もしDIYで使われる場合はそういった点も理解した上で使うようにして下さい。

 

日本で1番人気のあるウォールナットも、こうして見るとかなり高級な木材の1つだとお分かり頂けるかと思います。

先程も少し説明した通り、樹によってかなりの価格差があるのでまず自分が欲しいものが、どういった価格帯の物なのかを把握されるのがいいと思います。

 

 

 

テーブルサイズ

 

次に購入するサイズについて解説をしていきます。

 

『小さい方が安く、大きい方が高い』

そしてここで押さえて頂きたいポイントは、

『材料1枚あたりの大きさが価格に影響している』

ということです。

 

サイズが大きくなるにつれて使用する材料の大きさも大きくなるので、その分材料費も高騰していき価格も比例して高くなっていきます。

 

特に木材は、サイズが大きくなればなるほど価格の上がり幅がかなり高くなる素材です。ただ、サイズと聞くと長さのことを普通イメージするかと思いますが、実際に大きく関わっているのは『幅』なんです。

 

長さは基本的に3mとか4mサイズの板を購入することが一般的なのでそれに応じた価格にはなるんですが、幅については丸太から採れる限界サイズがあるので、大きく価格に影響を与えます。

 

例えば、1枚板テーブルってすごく高価なイメージがありますよね。

あれはテーブルにするだけの幅(大体80cm程度)のものがかなり少なくて希少なので素材代のベースがかなり高くなっているんです。

 

その順番で、次に価格のベースが高いのが2枚ハギ(板を2枚つなぎ合わせたテーブル)になって、そして3枚ハギ、4枚ハギといった具合に板のサイズが小さくなればその分価格も下がっていきます。

 

1枚板テーブル以外は必ず何枚かの板をつなぎ合わせて作られているので、使用する木材の1枚あたりの大きさによって価格に影響を与えます。

なので、ハギ枚数が少ない大きな素材は希少価値が高いので価格も高い。逆に細い板を何枚もつないでいるものは原価としての材料費が安価で済むということなんです。

 

そのため、例えば同じ20万円のテーブルがあったとします。

材料のみを見るのであればハギ枚数が少ない方が希少な良い材料を使っているということになります。

もちろん現実ではデザインや脚形状によっても変わるので、あくまでもハギ枚数での話になります。

 

たとえ同じ樹種のものであったとしても価格が違うことがあるのはこういった材料の理由があるからなんです。なので、できるだけ品質の高い物を選べるようにこういったポイントを覚えておくようにしましょう!

 

 

 

販売される製造数

 

製造数も価格はもちろん、品質にも大きく影響を与える要素の1つです。

ここでは、価格と品質の2つの側面に対して、製造数がどんな影響を与えているのかを見ていきたいと思います。

 

〇価格〇

まずは価格ですが、家具作りは製造業に分類されています。

 

1つの商品を作るのにも、『原材料の仕入れ』『製造人件費』『企業利益』の3要素が価格には含まれています。

 

つまり数が多くなればなるほど、材料費・人件費は下がっていくので商品の価格も下がっていきます。

逆にオーダーメイドの1点ものになれば材料費と人件費が、そのまま1台の家具に対してその分が全部乗ってしまうので当然価格が上がってしまいます。

 

格安家具の販売をしている大企業なんかは、1つの商品に対して何百・何千といった数を作るので材料費をかなり抑えて、大型工場などで機械を使って大量製造をしていくので1つ当たりの単価がかなり抑えることができます。

 

逆に1枚板やオーダーメイドの家具は、特注で材料も厳選して職人が1つ1つ作っていくので、材料費と人件費を他に逃すことができないので、そのまんま乗らざるを得ない状況になってしまうので『オーダーメイド=高い』というイメージが一般的になっています。

 

〇品質〇

先程も少し触れましたが、全国展開をしている大型企業であれば、製造台数自体がかなり多くなっていて、更に商品の品質を一律に揃えておく必要があります。

 

するとどうなるかと言うと、それだけの量を製造するだけの同品質の材料を揃えなければなりません。

ただ、木材は天然資源のため同一レベルの物を集めるとなるとかなり仕入れが大変です。

 

例えばウォールナットなどの希少樹種を用いた高品質商品になると、大量生産をベースにしている企業では大量生産が難しい為、比較的細い材料を集めて作られたものが販売の主流になっています。

 

こういった素材による価格変化を見ると、例えば郊外に大型店舗を持つ格安家具をメインとするお店では、どうしても比較的安価な素材の家具が多く展示されていて、逆に比較的高価な価格帯の商品を扱っている大型店舗などでは、高級樹種のものも数多くありますが細い材料をつなげているものが多く、幅の広い素材で作られた高品質なものになると一気に価格が跳ね上がっている印象があります。

 

 

 

ネット購入と実店舗購入の違い

 

では最後にどこで買えばいいのか、販売されているお店ごとの解説をしたいと思います。

 

ネットで販売されている家具と店舗で販売されている家具、そして郊外によく見る大型格安量販店と都心部にある高級家具取扱店では、それぞれ属性が違うので置かれてある商品も全く異なります。

 

そのため、まずどれくらいお金をかけれるのかをイメージして、どういった種類のものが欲しいのかを決めておきましょう。

 

ここで1つ注意して頂きたいことがあるんですが、イメージをするために多くの方はネットやSNSで検索をされると思います。

それが全てではないということをまずはわかっておいて下さい。

 

先程も少し話した通り、ネットやSNSで掲載されている商品と実店舗で販売されている商品の層は違います。

また、ネットだとどうしても写真映えのするものが掲載されていることもあるので、実際の見た感じのイメージと微妙に違うということがあります。

するとどうなるのかというと、結局目移りしたり想像と違ったりで決めれなくなることがあります。

 

なので、まずはどれくらいのお金がかけられるのか、そしてどういったものが欲しいのかをある程度自分の中でイメージをしてから探すと、自分の欲しい物が探しやすくなりますので是非覚えておいて下さい。

 

次に紹介したいのがテーブルの価格帯についてです。

素材の違い、加工方法の違い、ブランドの違い、販売店の違い、そういった各要素で価格もかなり異なってきます。下の図を是非参考にして下さい。

 

 

テーブルの価格は大体10~20万円程度が一般的な想定価格とされています。

もちろん、IKEAやネットなどでは5万円以下のものも多数販売されています。

ちなみに、格安家具と言えばニトリをイメージする人も多いと思いますが、意外にも10万円近くするものも多くて案外高いんですよ。。

 

1番人気のウォールナットの無垢板テーブルとなると、相場で大体15万円以上はします。

セールや割引などは除いたとして、例えば職人さんが手作りで仕上げたものだと20万円はほぼすると思います。

その分質が高くて、色目も綺麗でモノの品質としては全然違うんですけどね。

 

あとは販売店によって品揃えも変わってくるので、上の表や他のサイトを比較して頂いて、自分の購入希望の物がどれくらいで、予算と相談をしながらいろいろ探して頂ければなと思います。

 

 

 

まとめ

 

最後の最後にお伝えしたいのが、『品質が良い・悪い』『値段が高い・安い』ほんとにいろいろなものが販売されていますが、結局のところ『自分に合っているかどうか』これを判断基準にして下さい。

 

収入の差もあれば、お住いの形状・広さによっても変わってくるので、一概にこれがベストと言ったものはありません。

もっというと、テーブルなんて1枚1枚色目や木目などデザイン自体が違うので、それこそ自分が出会った中で選ぶしかないんです。

 

ちょっとした区分とかもあるので、もしよければいまから紹介する分類を参考にして頂ければと思います。

 

・価格をとにかく抑えたい!

→楽天などの大型ECモール、IKEAやニトリのような格安大型天

 

・長く使えて良いものを探したい!

→大塚家具などの家具量販店、もしくは家具メーカーのECサイト

 

・素材にもこだわって、更にコスパが良いのが欲しい!

→家具製造会社からの直接販売、小規模経営の家具販売店

 

・デザインにこだわった良質なものが欲しい!

→海外や国内のハイブランド店

 

 

これも僕個人としての意見ですので、参考程度にしてみて下さい。

 

家具自体はすごく価格差のある商品です。

テーブル1つ挙げてみても、数万円のする格安商品から、デザインと素材にこだわった50万円もするようなもの、更に高級1枚板を使用した80万円もするようなものまであります。

 

これも僕個人の意見ですが、やっぱり家具は安心して長く使える、それでいて色目が綺麗なものが1番いいと思うので、20万円クラスぐらいある程度お金を掛けて購入して頂きたいですね。

 

何が違うって、やっぱり素材の色味と耐久性が全く違います。

数万円の物とは比べ物になりません。なので、いろいろな店舗に足を運んでみて、是非ご自身の目と手でどんな違いがあるのか感じてみて下さい。

 

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