コラム
2022-06-06 11:38:53
はじめまして!家具工房に勤めて5年目の広報担当のゆうやと申します!
いままでと少し違ってDIYの時や家具選びの時に使えるテクニックを紹介したいと思います。
何かというと、『面取り』というテクニックです。どこで使うものなのかと言うと、棚板や柱の角の部分に使う加工方法のことを指します。
木材以外の金属などでも同じような加工をします。
初心者の方でもできる加工方法なので、それでいて見た目が全然違うので、是非参考にしてみて下さい。
まずはそもそも『面取り』って何なのかを説明したいと思います。
面取り=製品の材料の『角』を45°に削ったり、丸くなるように削ったりする加工方法
角がそのまま尖ってピンピンの状態ではなく、少し丸みを帯びていたり加工されていたりするものすべて面取りされていると言えます。
面取り自体はやすりやペーパーなど手作業で行うこともあれば、ルーターや置き式の大型機械で行うこともあります。
初心者の方やDIYでされる方は、基本的にペーパーで角を取るだけでもかなり仕上りが違ってくるので、是非挑戦してみて下さい。
面取りがどんなものかが分かった上で、じゃあなぜこの加工をするのかを説明していきましょう。
材料をカットした切断面をそのままにしてしまうと、角がそのまま尖った状態なので鋭利で危険です。
手で触ってしまうと木材であったとしてもすぐに切れてケガをしてしまいます。
そのため、手で触っても問題ないように削ったり丸くしたりして、触れても問題がないような仕上りにしていきます。
製品の組み立てを行う際や部材同士を接着する時に、角を予め綺麗に加工しておくと合わせやすくなります。
ある意味見た目の問題だけではなく、実用的な加工でもあります。
角を取ることによってケガ防止は先程お伝えしたと思いますが、それに加えて少し丸みを帯びているので肌触りがよくなるのもポイントです。
角が取れて触り心地がよくなると自然と触れている時間も長くなって愛着も湧いてきます。
大きな理由はいま挙げた3つになります。
安全性はもちろん、仕上がりの面でも『面取り』は必要不可欠な加工と言えます。
面取りにもいくつかの種類があります。
それこそ分かりやすい例として、テーブルの手摺も面加工になります。
傾斜がついているものから丸い形になっているものなど、いろいろな種類にできるのが特徴です。
今回はそんな中でも代表的な3種類を説明させて頂きます。
木材などの材料の角をほんの少し、0.5mm程度斜めに削る加工のことを指します。ペーパーなどでさっと軽くならすぐらいでできるので、別名ペーパー面とも言われています。
これだけでも手に触れる感覚はかなり違ってきます。そのままの状態だとケガをするんですが、こういった軽く磨いてあげるだけでケガ防止になります。
初心者の人でもできる簡単な方法は、サンドペーパーなどがホームセンターで売られているので軽く当ててあげるといいです。ただ、やり過ぎると逆に角が大きくなり過ぎて見栄えが悪くなるので注意が必要です。
次に紹介をするC面とは、斜めに角を削ぎ落す加工方法です。
一般的な加工方法で昔から図面などにも『C1』や『C2』といった加工指示の表記がなされていたので、その名残で呼ばれるようになりました。
テーブルの手摺など斜めに削られているものがこれに当てはまります。
モノによってはC面加工で45°と決まっているものもありますし、角度を別にして斜めに削り落としているものもあっていろんな種類があります。
最後にR面取りです。これは削ったところを丸く加工する方法です。
Rの前に数字が付いていることが多く、それが丸くする半円の距離を指しています。
例えば『3R』なら半径3mmのサイズ、『5R』なら半径5mmのサイズの加工と言うことです。
なのでそのままR加工とも言われています。
丸く削るのでケガ防止のためには1番適切な加工方法です。
手触りもいいので、手摺や棚板などのいろんな所に使われています。
上の3つ以外になると、
ボーズ面・サジ面・しゃくり面・銀杏面・几帳面
といった種類のものがあります。
それぞれ特徴的なデザインをしていて、テーブルの手摺や額縁、天井の端に回っている廻り縁など、いろいろな箇所にそれぞれ適したデザインのものが使われています。
糸面加工については紙やすりなどがあれば簡単にできます。
ただ、C面取りとR面取りについては基本的に機械や電動工具が必要になります。
削る量が少なくて済むものであれば手作業でも問題ありませんが、少し削る量が大きくなると素材の抵抗が大きくてかなり力が必要になるので、そういう場合は電動工具を使いましょう。
こういう面を削るのにはトリマーという工具を使い、大きめな傾斜をつける場合はルーターという工具を使います。
トリマー自体持っている人はなかなかいないと思いますが、家具職人では何台も持っている必須の工具です。
先端のビットと呼ばれる金属の部品を交換して削れる量や形状を変えていきます。
ビットの種類が豊富で、形状が合わない場合はオーダーして特注のものを作ってもらったりもします。
他には、あらかじめ45°を削る用の専用工具があったり、R形状やいろいろな形のカンナがあったり、工具の種類も様々あります。
面取りの種類などを含めて解説をしてきましたが、最後にちょっとした注意点も紹介したいと思います。
どういう所かと言うと、外部から見えない箇所や手で触れることのない範囲については面取りをする必要はありません。
逆に変にやっちゃうと変に丸みを帯びてしまって隙間ができる場合があります。
そういった箇所については、切断した時にバリがあったらダメなので1回だけペーパーで軽くならす程度で十分です。
あとは、加工面が大きくなって削る量が大きくなればなるほど抵抗も大きくなるので、削るのにかなり大きな力が必要になってきます。
特に電動工具を使っているときは、材料を固定しておかないと弾けて飛んで行ったり、逆に工具がズレてケガをしたりする恐れがあるので本当に注意しましょう。
実際にルーターで指を落としてしまった職人さんも何人もいらっしゃいます。
電動工具を使わなくても、やすりで皮膚をひっかいちゃうと擦り傷や軽いやけどみたいにもなるので気を付けて作業をして下さいね。
そこさえ注意できれば、見た目もかなり綺麗になりますし簡単にできるので、是非皆さんDIYをされる時は活用してみて下さい。