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無垢材家具のメリット・デメリット!丸わかり徹底解説!

2022-03-29 17:25:32

この記事を書いた人:森口友哉

家具製造会社で営業マンとして働いています。
商品企画にも携わることで商品の特性を完全に理解して、必要な人にこだわりの商品を届けています。
また、木材のすばらしさを広めるための活動もしており、素材や家具に関して人一倍の熱量と知識があります

皆さんはじめまして!家具製造工房に勤め始めてはや5年。広報担当のゆうやと申します。

 

家具と言えば多くの人が『木製家具』をイメージされるんじゃないでしょうか。その中でも、特に人気があるのが『無垢材』で作られる家具です。

 

今回は、家具を作っている側だからこそわかる、無垢材のメリット・デメリットを徹底解説していこうと思います。これさえ読めば、無垢材の扱い方からどういったものを購入したらいいのかすべてわかるようにしてあります。

 

是非、家具を購入する時の参考にして下さい。

 

そもそも無垢材って

 

木材はいろいろな形に加工をされて使われています。

 

木材をスライスして何枚も貼り合わせた合板、粉々に砕いたチップを板にしたパーティクルボード、もっと細かく繊維みたいなファイバー状にして板にしたMDF、などなどいくつもの種類があります。

 

無垢材もそういった木材の加工形状の1つです。一言で説明すると、

・伐採した丸太の状態から、中身をそのまんま取り出したもの

という説明になります。

 

要は、人間が手を加えることなく、丸太の状態から中身を使うサイズ切り出したものということです。何も加工をされていないので、素材が本来持っている自然由来の良さを最も引き出して使うことができる加工方法とも言えます。

 

ちなみに、無垢材というと1枚板テーブルや太い素材のものをイメージされる方も多いかと思いますが、例えば接着剤で何枚も剥いで(つなげて)作っている集成材も、一応無垢材とも言うことがあります。人によっても認識の違いはありますし、無垢材と集成材自体がどんなものかさえわかれば、正直そこまで深く考えなくていいかなと思います。

 

細かな定義自体が厳格に決まっているわけではないので、単体の中身がすべて木材or小さくても中身がすべて木材をつなげた材料、が無垢材と言われています。

 

 

無垢材の特徴

 

・唯一性

先程もお伝えした通り、無垢材は丸太から木材をそのままの状態で取り出した素材になります。そのため、中身の構造から模様からすべて全く同じ樹は存在しないので、取り出した無垢材も全く同じものは存在しません。

 

だからこそ、1枚板テーブルは1枚1枚違った表情をしていますよね。希少な杢目をもっているものやサイズが大きいものはそれだけで高い価値が付けられます。一般的なテーブル(何枚か板をつなげて作られるテーブル)よりも、1枚板テーブルの方が総じて価格が高いのは、希少価値が付けられているからこそです。

 

・風味

無垢材最大の特徴と言えば、自然の風味を最大限引き出すことができる素材ということです。木材は数多くの加工方法があるとお伝えしましたが、素材本来の魅力である自然の風味を最大限生かすためには、人の手が加えられずできるだけそのままの状態で使うのが1番です。

 

経年や使い方によって見えてくる表情も変わってくるので、時間が経つのもそうですし使う人によっても違った個性が出てきます。何年も使い続けている方の多くは、こういった経年変化を好んで使われている方もたくさんいらっしゃいます。

 

 

無垢材のメリット・デメリット

 

では、具体的な無垢材のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

 

【メリット】

・暖かさがあって、肌触りが優しい

・夏は涼しくて、冬は暖かい

・部屋の湿気を調節してくれる

 

木材は柔らかいのに丈夫という性質を持っています。その理由は、いくつもの細胞が集まって組織ができているためです。細胞内の空間が緩衝材やしなりを持っているので他の金属やガラスといった材料と違って、丈夫な素材なのにしなやかさを併せ持っています。

 

また、細胞内の空間が断熱材の役割を果たすので、熱伝導率が低くなっています。そのため、夏にはひんやりと気持ち良い反面、冬は暖かさを持続してくれます。

 

これも木材の多細胞構造の恩恵になりますが、部屋の湿度環境に合わせて細胞内の水分量を自然調整してくれる効果があります。周りの湿気が高いと細胞内に水分が吸収され、逆に湿度が低いと細胞内の水分が放出される仕組みになっています。

 

 

【デメリット】

・大きい材料になる程高価で希少

・素材の状態により割れ、反れが起こる

・他の木の素材に比べて重たい

 

年々無垢材の大きな素材は採れないようになってきています。皆さんご存知の通り、樹は大きく成長するまでに何十年何百年もかかります。そのため、供給量がどうしても次第に減ってきてしまうので、材料が大きくなればなるほど希少で、かつ価格もかなり高くなってしまいます。

 

木材は基本的にどんなものでも割れや反れが起こります。その原因は水分が影響しており、エアコン近くですごく乾燥しやすい場所や水回り近くの湿気が常に高い場所では、そういった割れや反れが起きやすくなります。

 

ただ、その度合いを小さくすることは可能で、そのために家具に使われる材料はすべて乾燥がされています。ただ、すべてがきちんと正しいプロセスで、かつ正しい基準で管理されているかと言うとそうではなく、物によっては使っていて割れ、反れが出てしまうようなこともあります。

 

メリットでもお伝えした通り、他の素材に比べて木材自体は丈夫でかつ柔軟性がある軽量素材です。ですが、そうはいっても1枚板テーブルなどは何十キロにもなるくらい大きくて重たい製品になるので、持ち運びをするときは注意が必要です。それこそ引きずってしまったら、床が傷ついてしまうことも…

 

 

無垢材の種類

 

皆さんがよく目にする無垢材というと、ホームセンターなどで販売されているヒノキやスギ、パインなどがあります。ただ、そういったものはすべて針葉樹になるので、家具には向いていない柔らかい木材です。

 

小物やDIYで棚を作ったりする分には全然問題ないのですが、本格的な家具としては傷がつきやすかったり、耐久性が低かったりであまり使用しません。

 

そうなると、使うべきなのは硬くて丈夫な広葉樹になるのですが、残念ながらホームセンターなどではあまり販売されておらず、ネットやそれこそ材木屋さんなどで直接購入するしかありません。

 

広葉樹は購入しにくい点以外にも、価格が針葉樹に比べて高いのと比較的有名なものは海外からの仕入れのものが多いので仕入れが難しいポイントがあります。

 

有名な広葉樹でいくと、

 

【北米産】

ウォールナット、アメリカンチェリー、ハードメープル、ホワイトオーク、ホワイトアッシュ

 

【国産】

欅(ケヤキ)、楢(ナラ)

 

【その他】

サペリ、マホガニー、チーク

 

などなどがあります。北米産のものは日本でもたくさん輸入されているので、知っている名前のものも多いんじゃないでしょうか。

 

無垢材家具の選び方

 

無垢材で作られている家具を購入する時の注意点としては、先程もお伝えした通り針葉樹は柔らかいので傷が付きやすいです。なので、広葉樹のものを選ぶといいと思います。実際に家具屋さんで販売されている商品も多くが広葉樹のものです。なので、まずは樹種のところから選ぶのがいいと思います。

 

あとは、無垢材の商品は長年ずっと使い続けることができる耐久性が高いので、家具を置く部屋をどんな雰囲気にしたいのかをよく考えてから購入するようにしてください。色味は当然ですが、サイズや質感などトータルで考えましょう。

 

例えば、ウォールナットは重厚感と高級感がある濃いブラウンの色合いをしているので存在感があります。ホワイトオークは木目が特徴的でナチュラルで自然な風合いをしています。

 

全て同じ樹種のもので統一するのもいいですが、例えばデスクやダイニングテーブルなど主役になりうる家具は他の樹種の家具を選んでみてもアクセントになって雰囲気もまた変わってきます。あとは、テーブルとイスをそれぞれ違う樹種のもので揃えてもすごくマッチしていていいものもあります。

 

テーブルウォールナットで椅子を4脚の時に2脚ずつウォールナットとホワイトークの白黒で合わせたりすると、すごくかわいい仕上がりになります。

 

あとは、無垢家具は基本的に表面に塗装をしています。理由は汚れや傷防止などの表面保護のためです。一般的にはウレタン塗装がほぼ占めていますが、経年変化や無垢の木材風味を楽しみたい方はオイル塗装のものをよく選んでいます。日常使いという点でいけば、ウレタン塗装を選んでおけば問題ありません。

 

 

まとめ

 

木製家具の中でも、個人的に無垢家具が1番好きです。やっぱりあの質感とデザインの美しさは、なかなか他のものでは表現できないレベルです。

 

もちろん、メリットばかりではなくデメリットもありますので、それぞれの生活状況に応じてどういったものを選べばいいのかきちんと把握してから購入しましょう。

 

長年使い続けることができるからこそ、どういった部屋の雰囲気にしたいかを考えて樹種を選ぶようにしてください。

 

比較的クロスなどお部屋の雰囲気が白系や柔らかい感じであれば、ハードメープルやホワイトオークなどの薄い色味のもので揃えてもいいですが、テーブルだけウォールナットにして存在感を出してもすごくいい雰囲気になります。

 

特に1枚板テーブルは無垢材の1番贅沢な使い方です。これから先、素材自体が年々希少になっていくと言われているので、どんどん価値と共に価格も上がっていくでしょう。それくらい、本当に価値のあるものだと思うので、是非購入ができる方は1枚板テーブルをダイニング用に使ってみて下さい。

 

物によってはきちんと選べば普通のテーブルとあまり価格が変わらないようなものもあります。こだわり出すとほんとにキリがないですが、自分のこだわりの1枚を探してみるのも面白いです。

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